最高に嬉しいご連絡!差し押さえからのスタート。

更新日:5月3日



なんと!お客様が20数年かけて、住宅ローンを完済されましたー--!!!

その方おそらく76歳。

10万円を超える金額をこのご年齢で毎月払うんですよ。

いやー、努力!努力!!努力!!!のうえでやっとご完済!って感じだと思います。


本当に凄い。まじで凄いです。みなさん自分だったらと思うと、どんだけ凄いことなのか読み進めていただくと少し解りますよ。では、その方とのエピソードを。

 

1.出会いは、飛び込み営業!


出会いは2018年9月。たしか僕の仕事があまり無かった時期だと思います。

その時に、初の飛び込み営業をした先が、このお客様。


飛び込み営業先は、ビルの所有者様。

3社の不動産会社さんから1つのビルが売りに出されていたので、4社目に加えていただこうと思い、所有者住所を確認したところ、売りに出されていたビルと同じ住所だったので、これは所有者の方が住んでいる可能性あるなと思い、現地に飛び込み。


飛び込み営業は良くないイメージがあり、やりたくなかったのでやったことがなかったし、自営業なのでやらなくても良いのですが、なぜか飛び込んでました。それほど仕事がなかったのでしょうか。覚えていません。。


突撃当日、最初は奥様に会うことができました。ご主人は外出されている為、伝えておきます。との会話を。

そして帰りの道中、ほどなくして、携帯にご主人から電話が。会って話を聞いていただけるとのこと!即、訪問しました。


リビングに通していただき、自己居住中のビルを売りに出されていることを確認し、なぜ売りに出されているのかなど、色々とお話しを伺いました。細かいことは省きますが、重要ポイントは以下の点でした。


・現時点では前向きな購入検討者はいない。

・住宅ローンの残債があり、滞納している。

都税事務所に差し押さえられていた(固定資産税の滞納により)

区に差し押さえられている(住民税、国保保険料の滞納により)


当時の自分には、なかなかハードルが高かったですね。差し押さえ!?どうすんの?って感じでした。登記簿にはこんな感じで載ってます。↓

なにせ東京都や区に差し押さえられている物件なんてはじめて。何をどうして良いのか全く判りませんでしたね。しかし、これも良い経験。突破していきましょー。



2.打開策を見つける為、調査開始


まずは、登記の専門家。日々お世話になっている司法書士事務所さんに相談を。

以下、相談時のFAX送付書を抜粋した画像。


(↑今見返すと、文章が長い。。簡潔に記載すべきですね。。)


質問欄みてください。全然プロっぽくないでしょ?

そうなんです。でも自分だったらと思うと、だいたいこんなことが気になりません?

相手の立場にたってなるべく考える!なんといってもやっぱりお金ですよね。費用がいくらくらい発生して、いくらくらい手元に残るのか。差し押さえをされている状況なので、お金があるわけないです。こんなことを考えながら、わからないなりに少しずつ全体的なイメージをつかもうとしたのだと思います。



3.いざ!都税事務所と役所の方に質問


まずは、住民税と国保料金の滞納について、確認。


さいとう:差し押さえされている不動産の登記を抹消するには、どうしたらよいですか?

公的機関:滞納されている税金をすべて支払ってください。


さいとう:支払う為に、必ず売却をしなければなりませんか?

公的機関:いいえ。完納していただければ、売却の必要はありません


こんなことを確認しました。



4.全体像を把握し、今後どうすべきかを判断


滞納分を完納→差し押さえ登記抹消。

ここまでは、イメージできました。

ここから先が大切なところ。


・売却との判断は適切なのか?

・売却しないと完納できないのか?

・売却後、手元にいくら残るのか?

・残るお金はどんなことにつかいそうか?

・売却後どのような生活が想定されるか?

・残るお金でどれくらい暮らせそうか?

・住宅ローンどのくらい残っているのか?

・賃料収入を得るという判断は無しか?


などなど、色々考えるのです。

そして、聞きたいことを全部、その方に聞きに行きます。


国保料金、住民税、住宅ローンなど、毎月の返済金額について確認、いくら残っているか残債金額についても確認。携帯代など毎月の固定費、光熱費などの変動費、たばこ代まで全て確認させていただきました。


「普通、ここまで聞かないよね」とその方に言われたような気がします。でも、全部聞くんです。すべて把握しないと、判断できませんので。


当時のデータを確認したら、エクセルで以下のシミュレーション表を作成してました。


・毎月の収支表

・売却した場合の月次収支、手残り金額

・売却しなかった場合の「手残り金額」

・貸し出した場合の「月次収支(住民税一括払い版・分割払い版)」

・ご家族に一部援助を求めた場合の「月次収支」



5.売却を行わず、賃貸物件として貸し出すとのご判断


自分の中で一通り、シミュレーション表を見ながら検討し、貸し出しが適切であるとの判断をしました。そのことをご説明にビルの所有者様を再度訪ねます。


以上のシミュレーション表などを持参し、売却するうえでの良い点、悪い点、賃貸物件として貸し出す際の手順や発生する費用、リスクなどもご説明し、賃貸物件として貸し出すことにご賛同いただきました。


もともと4社目の売却依頼をいただく為に飛び込み営業に伺ったのですが、賃貸物件として募集を開始することになるとは、自分でも驚きです。


ちなみに、それまで数か月、ご売却を依頼されていた不動産会社さんからは、賃貸物件での運用を。という提案は1社もなかったそうです。(そりゃそうでしょうね。不動産会社として、得られる報酬額がまるで違いますので)



6.住宅ローン完済とのご連絡が!!!


2018年9月の出会いから、同年11月には賃貸物件として貸し出しを行い、大家さんとして大家業をスタート。それから、入居者様の入れ替えや、修繕など、事あるごとにやり取りをさせていただきながら、時は経過。


2022年の年始に電話連絡を取った際に、今年4月で住宅ローンを完済されることを聞き、4月30日(土)のスケジュールに「●●さんに電話すること」って入れてました。

そしたら、4月27日(水)の夕方にご連絡をくださいました!以下のショートメッセージです。

嬉しかったですね。

ご連絡をいただいて即、電話しました。

20数年の住宅ローンを完済されたのです。



7.本当に凄い方です。凄いの一言では失礼だと思うほど。


お世辞にも、お若いとは言えないご年配の方。人生の大きなひと区切りに、安堵されているお気持ちや達成感が電話越しにも伝わってきました。


電話でのお話しの中で「毎日100円、200円の生活をしてきた」とおっしゃっていたので、どういうことですか?と聞いてみたところ、


「例えば、イチゴが売ってあるとするじゃないですか。」


「あぁ、280円だからやめとこう。とか。」


即おおよそが理解できるお言葉でした。


そのような生活をこの数年間おくってこられて、住宅ローンを完済されたという「今」。

数分の電話を切り終えて、少し涙が出ました。


失礼なのですが、わかりやすく言うと、言葉数の少ない昔気質の厳格おやじ。っていう印象の方。一見そんな印象なのですが、とても優しい方。


その方が、数年にわたり、このような生活を送られる中で、僕の提案を信じ、必死に頑張ってこられたと思っただけで、涙が出ました。色々と思い出し、これを書いている今も目に涙が溜まってきました。2018年の年末からずっと頑張ってこられていますので、3年以上経ちます。どれだけ長い期間であるかは少し想像しただけで解ると思います。



8.終わりに。


出費を抑える為、僕がルームクリーニング業者になったり、窓枠木部の灰汁(あく)洗いをyoutubeで調べて数日かけて行ってみたり、ともに考え動いたつもりです。


こんなに嬉しいことはない。っていうくらい、嬉しかったです。

住宅ローンをご完済されたこと、ご連絡をいただけたこと、嬉しいお言葉。


同時に改めて自分の仕事を理解する機会にもなりました。不動産を取り扱う者としての発言や提案することへの責任。じっくり検討することの大切さ。日々ご依頼いただくことは、それぞれの方にとって、とても大切な人生のひと場面であること。


更なる自信を持つ機会をつくってくださったこのビルのオーナー様に心より感謝を申し上げます。以上、読んでくださった方どうもありがとうございます。